まるごと∞まんまるスマイル

「あー面白かった!」を書き残すブログ

好きな人の結婚を知ったとき

10年と少し前、好きだったアーティストが結婚を発表した。

ああ…。

と深いため息とともに、

巨星墜つ。

と大仰な言葉が頭をよぎった。ついにこの日が…という思いだった。

もちろん自分とは違う世界の人だとは重々わかっていて、彼との結婚など望んだことはない。それに彼自身も勢いで結婚するような年齢ではなかったし、私はその事実を冷静に受け止めた。

と自分では思っていた。

だが、実際はそうでもなかったらしく、私が次に考えたことは、

私も結婚しよう。

だった。

そして、恐ろしいことにそれを実行にうつし始めた。

当時私はちょうど、ある男性とおつきあいをしていた。

今思うと、その人は私がかつて付き合った男性の中でももっとも「ない」タイプだった。

しかしその人は、いろいろと条件がよかった。

仕事は安定していたし、職場での評価も高かったし、お互いの実家が近かったし、しかも次男だった(笑)。それに人柄もよく、コミュニケーション力も十分だった。

付き合ってもいいかな、と思える人で、結婚してもいいかな、と思える人だった。私自身、そんな計算をしてしまう年齢になっていた。

そこへの、あの結婚の知らせ。

なんだかんだいって、私はそのアーティストにずっと恋をしていたんだと思う。疑似恋愛なのか、叶わぬ恋なのか、阿呆の恋なのか、表現はなんでもいいけれど、何度となく胸をしめつけられるような思いを彼に抱いてきた。その彼の結婚。

そして私は思った。

どうせなら私も彼と同じ年に結婚してしまおうと。おそろいにしちゃおうと。

馬鹿か。

今なら全力でそうつっこめるが、当時はけっこう本気だったのだから恐ろしい。

またそんなときに、そこそこ条件のいい物件が目の前にあった。 あーあ、これで名字が「櫻井」だったらなー、と思ったのも覚えている。

(まあわかる人はわかるだろうが、私が好きだった「櫻井」さんは嵐でもミスチルでもなく、BUCK-TICKの櫻井敦司氏だ。私は一体化願望が強いらしく、今もときどきそれが顔を出す。こないだは彼がライブでしているガッツリ黒系囲み目メイクをしてみたいと口走り、友人に「まずは目と眉の位置を近づけないとね」とやんわり瞬殺され我に返った。友人には感謝している)

そして話は進んでいった。お互いの両親に挨拶もした。上司にもその旨を伝え、なぜか私が転勤することになった。(その件については軽く恨んでいる)

だが、途中で私は違和感に気づいてしまった。その違和感は時間をかけてふくらみ、ついに気づいた。彼ではないと。

そして私は彼との関係を解消した。

幸いにも、彼が結婚に向けて具体的なことを何も進めていなかったため(それも違和感の原因の一つだった)、後始末はおのおのの両親への報告だけで済んだ。

ちなみに報告した際、私の母はむしろ「よかった!全然好みじゃなかったから!」と喜んでいた。もちろん彼女の好みの問題ではない。

そして私はのちに今の夫(長男)と出会った。特別条件がよかったわけではなかったが、すったもんだを経て結婚する運びとなる。

でも夫はとてもいい人で、私が予約を忘れて寝てしまったCDTVクリスマス特番も、きっちりエイトのところから気づいて録画してくれた。この結婚に一片の悔いなしである。

あの頃の自分は本当にどうかしていた。

でもそれが恋ってものなんだと今ならわかる。恋の行方を失ったのだ。失恋だ。行き場をなくした思いが歪んだ形で現れたのだ。

そしてエイトメンバーだって、誰かが結婚する日がいつかは来るだろう。

そのとき私はやっぱり複雑な気持ちを味わうに違いない。

たとえば私の脳内では、丸ちゃんはだいぶ若いきれいな子を選ぶ想定なので、見せつけられた現実を前に、「だよね〜」とあきらめに近い落胆を覚えるだろう。イメトレはできている。

でもそのときは、もうかつてのようにやけっぱちにはならない。…と思う。たぶん。きっと。多少の、いやそこそこのやけ酒は飲む気がするが。

それに丸ちゃんをはじめ、エイトの皆さんのプロのエンターテイナー魂は信頼してるから、結婚したならなおさら、いい仕事を見せようとがんばってくれるに違いない。

件のアーティストも、のちに子供ができ、それによって作品の方向性も広がった。自分の内面だけではなく、子供を通して未来を見ているのが感じられる、大きな愛の歌を歌うようになった。美貌の維持もたいへん好調で、奥様の栄養管理に今や深く感謝さえしている。

そもそも彼の遺伝子が後世に引き継がれたことが、心底喜ばしい。

となるとエイトメンバーだって、人類の未来のために、彼らの遺伝子が残された方がいいに決まってる。

でも、そう簡単に割り切れるくらいならアイドルにハマったりしない、というのもまた正論で。

狂わせるくらいじゃなきゃアイドルじゃない、とも思う。

ただ、自分の人生も大切に、ということも、身にしみて実感している。ガンガンいこうぜ、だけでは危ういときがある。

私は今でも思う。

もしあのときの彼の名字が「櫻井」だったりしたら、私はむしろ意地になって結婚していたかもしれない。未だに「櫻井」の表札を見かけるたびに未練がましく眺めている自分である。

おおこわい。自分のイタさがこわい。

というわけで、世のお嬢さん方も、横山や渋谷や村上、丸山や安田や錦戸や大倉って名字の人にフラッとついていかないようにね。(でも錦戸、なんて人がいたら私も二度見する自信はある。名刺取っておきたくなる)

目の前の向こうへ。それがLIFE。おっ!うまいこと言った!(笑)

以上、イタいおばちゃんの思い出話でした。