まるごと∞まんまるスマイル

「あー面白かった!」を書き残すブログ

【モンテ・クリスト伯】原作とドラマの共通点

先日最終回を迎えたドラマ「モンテ・クリスト伯」。

ああ、真海は新しい人生を始めたのね、とすんなり納得したラストでしたが(単純)、人によってはそうでもないらしい、ということを後で知りました。

そこで私は、とりあえず原作を読んでみることにしました。

ただし、原作付きとはいえ、そこに新しい脚本がある時点で、原作は原作、ドラマはドラマ、基本は別物です。

原作からの情報の取捨選択、そして新しい肉付けにどのような意図があるのか、私なりに考えてみようと思います。

原作とドラマを並べて、共通点と相違点を見ていきますが、今回はまず共通点から。

原作について

原作は「三銃士」も書いた文豪、フランスのアレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」。日本では最初に黒岩涙香が「岩窟王」というタイトルで紹介しています。

物語の舞台は1980年が始まり。ナポレオンの時代です。

最終回を見た翌日に、私が読んだのはこちら。

巌窟王―少年少女世界名作の森〈15〉

巌窟王―少年少女世界名作の森〈15〉

……はい、少年少女向けの簡易版です。

おいおい、大人ならこれくらい読もうぜ!

モンテ・クリスト伯(全7冊セット) (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯(全7冊セット) (岩波文庫)

とも思うし、実際そっちの方が面白いんだと思いますが、なんせ手っ取り早く概要を把握したかったので…ごめんなさい。

でも、少年少女向けとはいえけっこう難しかったよ?! 実際小学校高学年向け、中でも読書体験豊富な子じゃないとしんどいと思う。

だけど、面白い。濃厚なエンタメ小説でした。

だって訳は榊原晃三氏だし(確か昔、氏の翻訳したアルセーヌ・ルパンシリーズをたくさん読んだ)、そして挿し絵は天野喜孝!! 50点近くもの、カラーを混ぜた挿し絵が添えられていて、どれも実にドラマチックで、ラフなんだけど華麗!

大人の本にはあまり挿し絵ってないけど、挿し絵があるっていいですね。当時の衣装や髪型、調度品など、知らない情景もわかりやすいし。

というわけで、満足度の高い読書になりました。

では、原作とドラマの共通点を大ざっぱに見ていきます。

…あくまで大ざっぱにね!!(守りに入った)

人物紹介

まず予備知識として、原作の人物名と、ドラマでの人物名を紹介しておきます。

ここでは私が読んだ翻訳での名前で紹介させていただきますが、ほとんどがファーストネームのみで、子供にも読みやすいよう、V音は省略させていると思われます。ご了承ください。

柴門暖(ディーン・フジオカ)=エドモン・ダンテス
すみれ(山本美月)=メルセデス

神楽清(新井浩文)=ダングラール
南条幸男(大倉忠義)=フェルナン
入間公平(高橋克典)=ビルフォール

寺角類(渋川清彦)=カドルッス

守尾英一朗(木下ほうか)=モレル

守尾信一朗(高杉真宙)=マクシミリアン
入間未蘭(岸井ゆきの)=バランティーヌ

入間貞吉(伊武雅刀)=ノワルティエ
入間瑛理奈(山口紗弥加)=エロイーズ
入間瑛人=エドワール

神楽留美(稲森いずみ)=ルネ?(違うかも)
安堂完治(葉山奨之)=アンドレア・カバルカンティ(本名ベネデット)

江田愛梨(桜井ユキ)=エデ
土屋慈(三浦誠己)=ジャコポ

ファリア真海(田中民)=ファリア神父

香港マフィア「ヴァンパ」=山賊バンパ

原作との共通点

まず最初に、私は、ドラマは原作とここが違う!と批判したいわけではありません。

むしろ、この時代も国もまったく違う物語を、よくぞ現代日本に焼き直したものだと脱帽しています。

名前だってうまくつけてるし、ちゃんと原作の設定通りで話が進んでいくので、その共通点を列挙していきます。おおよそ次の通りです。

(カッコ内はドラマでの名前や設定です。項目の順番は原作に沿っています。)

導入

  • 船長が死んだ船の帰還シーンから物語が始まる。
  • ダンテス(暖)が船長から手紙を預かる。
  • ダンテス(暖)を陥れるわるだくみを、ダングラール(神楽)、カドルッス(寺角)、フェルナン(幸男)の3人で話す。
  • ダンテス(暖)とメルセデス(すみれ)の婚約発表(結婚式)の最中に、ダンテス(暖)が警官に連れ去られる。
  • ダンテス(暖)が預かった手紙は、ビルフォール(入間)の父ノワルティエ(貞吉)宛であり、それを知ったビルフォールは手紙を燃やしてしまう。

牢獄にて

  • 獄中でファリア神父(ファリア真海)と出会ったダンテス(暖)は、神父から自分が受けた仕打ちを言い当てられ、そして語学や教養を学ぶ。
  • ダンテス(暖)は亡くなったファリア神父の代わりに遺体袋にもぐりこみ、海の中で袋をナイフで破って脱出する。

脱出後

  • ダンテスがいなくなってから、メルセデスがその父(母)の世話をしていたが、父(母)は飢え死にしてしまった。
  • モレル(守尾英一朗)はとてもいい人。

復讐の始まり

  • フェルナン(幸男)とメルセデス(すみれ)の息子アルベール(明日香)を助けることで、ダンテスはモンテ・クリスト伯(真海)として二人に近づく。
  • メルセデス(すみれ)はモンテクリスト伯(真海)を一目見てダンテス(暖)だと気づく。(ドラマでは曖昧にも取れる)

  • モンテクリスト伯(真海)はビルフォール(入間)に近づくためにその息子エドワール(妻瑛理奈)に薬を与えて助ける。

  • ノワルティエ(貞吉)は手足のまひする病気でビルフォール(入間)の世話になっている。
  • ノワルティエ(貞吉)にやさしいのは孫のバランティーヌ(未蘭)だけ。
  • バランティーヌ(未蘭)とマクシミリアン(信一朗)は愛し合っているが、ビルフォール(入間)はそれを知らない。

  • カドルッス(寺角)はアンドレア(安堂)と刑務所での仲間。

  • カドルッス(寺角)はモンテクリスト伯(真海)の屋敷に忍び込むが、結果的にアンドレア(安堂)に殺される。

  • フェルナン(幸男)はかつてトルコ(香港)でアリ・パシャ(ショーン)を裏切ってエデ(江田愛梨)を奴隷の身にした。

  • フェルナンは衆目の場でアリ・パシャ(ショーン)に行った悪事を暴かれる。
  • メルセデス(すみれ)が一人でモンテクリスト伯(真海)に会いに行き、ダングラール(神楽)とフェルナン(幸男)がダンテス(暖)を陥れたことを知らされる。

クライマックス

  • ダングラール(神楽)は山賊バンバ(ヴァンパ)に拉致され、法外な料金の食事を出される。
  • エロイーズ(瑛理奈)は次々と親類縁者を毒殺し、バランティーヌ(未蘭)にも手をかける。
  • モンテクリスト伯(真海)が与えた薬で、バランティーヌ(未蘭)は仮死状態となる。
  • ビルフォール(入間)は毒殺の犯人がエロイーズ(瑛理奈)だと気づくが、エロイーズは自殺する。
  • アンドレア(安堂)はビルフォール(入間)とダングラール夫人(留美)との間にできた隠し子で、生まれてすぐビルフォールに庭に埋められたが、掘り出されて生き延びた。
  • ビルフォール(入間)は頭がおかしくなった。

結末

  • バランティーヌ(未蘭)とマクシミリアン(信一朗)は結ばれ、モンテクリスト伯(真海)から最後に「待て、しかして希望せよ」と書かれた手紙を受け取る。
  • モンテ・クリスト伯(真海)はエデ(江田愛梨)とともに生きていく。
  • 最後の場面は海。

まとめ

これだけの類似点があれば、ほぼ原作通りといっていいと思います。

うまいと思ったのは、ドラマでは入間が未蘭を出口と結婚させようとしますが、原作では、ビルフォール(入間)はバランティーヌ(未蘭)をフランツという青年と結婚させようとしていて、ダングラール(神楽)が自分の娘(ドラマでは不在)をベネデット(出口)という偽貴族と結婚させようとするんですね。

つまり、2つの政略結婚の話が、ドラマでは一つの話にまとめてしまっています。

ところが原作でこのベネデットは、偽の貴族としてモンテ・クリスト伯に仕立てられ、アンドレア・カバルカンディという名前を与えられています。

つまりドラマでは、ベネデットという人物を、出口と、安堂完治、という二人の人間に分けてしまったんですね。

よく考えたものですよね〜!

というわけで、今回は共通点のみをまとめました。

次回、相違点から最終回について考えていきます。

それではこれにて!