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まるごと∞まんまるスマイル

丸山くんメインながら、全メンバーこよなく愛でるブログ。惚れたもんだから仕方な〜い。

アイドルをそこに引き止めるもの 〜「閃光スクランブル」〜

加藤シゲアキ著「閃光スクランブル」を読みました。

芸能人のスキャンダルを狙うパパラッチ高橋巧と、下り坂女子アイドル伊藤亜希子の2人が主人公。

処女作「ピンクとグレー」が、一般人に近い目線で書かれてたのにくらべると、 こちらは全体に業界人目線です。

個人的にしんどかったところもありますが、話の展開がテンポよく、ほぼ一気に読めました。ストーリーに関するネタバレなしで、印象的だった場面と思ったことを書き残しておきます。

(本文の引用はありますので、まったく情報を入れたくない方はご注意ください)

アイドルとSNS

何がしんどかったのかというと、たとえばSNSについて。

アイドル亜希子が、ネットの情報に振り回されて心を病むくだりがあるんですね。

Twitterを見れば偽物アカウントがあったり、アンチスレをのぞくと今まで気にならなかったところが気になってしまったり。(ほかにも目撃情報で行動が筒抜けだったり…ってすごくタイムリーな話だったりするのかな…)

パパラッチの巧はクールに言います。

「おかしな話だな。応援してる奴のせいで狂うなんて」

ひぃいいい!!ありそう!!

「そういう世界です。そこで生きられるのはよっぽどの天才か、鈍感な人間だけなんです」

ひぃぃぃいいい!!!亜希子さん言い切っちゃったよ…。そうか…そうなのか…。

フィクションとして誇張されてるところはあると思うけど、現役アイドルが書いてると思うと心に刺さりました。

でもまぁ、ある程度のぼりつめた人ならではのセリフなのかな…。

こういうのを見ると、SNS禁止は、アイドル本人を守るためでもあるんだなと再認識します。

だから丸ちゃんのエゴサを全力でやめさせたくなってしまう。まあ結局私はエイターなのでね。そっちに考えがいってしまうんですが。

いや丸ちゃんに限らず、絶対ネット見てそうなメンバーいるしね…。そりゃ見たくなるだろうけど。

私はかつて、自分の職場の裏サイトを見てしまって、すごーくいやな気分になりました。

直接自分のことじゃなくても、悪意から出る言葉って、読むだけでダメージ受けません?見たくもないものを見せつけられる不快感。

だからもし、そういうの平気で見られるようになってるのだとしたら、おそらくそれは何かが麻痺してるとしか思えないんですよね。そうやって自分の心を守らないと絶対やっていけない。

いや、さっきよそのブログ読ませてもらって、そんなちっぽけな心配なんかまったくいらないくらいの「アイドルの天才」な気もしてきた。凡人である私の想像をはるかに超えた「アイドル」なのかも。

しかし着実に澱を溜め込んでるような気がしないでもない…(笑)(笑いごとじゃない)

ステージの魅力

さっきのくだりのあとでこう続くんですね。

「(アイドルを)やめればよかったのに」

その通り。心を壊してまで他人に晒される必要はないわけです、本来。ありがたいことですよ、その魅力を公的にシェアしてくれるって。

それに亜希子は、

「誰だってやめられませんよ、ステージからの景色を見たら」

と答えるんです。

…そうか…ステージからの景色か…。

この辺も、著者が現役アイドルだという説得力がモリモリです。アイドルって大変なことがたっくさんあるけど、それを補ってあまりあるのがステージなんだと。

やっぱり、ステージに立つことって相当なカタルシスなんでしょうね。そこまでの苦労がすべて報われる感動、快感がそこにあるんでしょう。

じゃあ立たせてやろうじゃないか、と思っちゃいます。

凡人にははかれない彼らのストレスを帳消しにしてくれるのがステージなら、最高の気分で立たせてあげたい。

今回のエイタメツアー、たこやきペンライトがカラーチェンジできたことで、回を重ねるにつれ、ペンライトの海がとても美しかった、というレポがずいぶん増えたように思います。

その光の海が彼らの心を癒すなら、私もぜひその海のひとしずくになりたいもんです。

アンコールを届けたい

そして、アンコールもがんばりたいなと。関ジャニ∞の場合はエイトコールか。拍手だっていい。

そのへん、お金じゃないとこだと思うんですよね。

好きなアイドルを支援するプチパトロン気取りの私ですが、あのアンコールの声は、プライスレスの部分だと思ってます。

お金の部分は、額が大きくなればなるほど実感がわかなくなることがあると思うんです。あくまで想像だけど。

むしろ、お金じゃ実感できないものがあるんじゃないかな、なんて。それがアイドルの尽きない欲望につながるんじゃないかと。

欲望については、シゲアキ先生が本書で大変うまいたとえをされてます。

それは「ヒビの入ったグラス」

欲望とはヒビの入ったグラスだ。満たそうとして注いでも、永遠に裂け目から漏れ続ける。決して満たされることはない。

後輩にポジションを脅かされる亜希子がそう語ります。

もっともっとという気持ち。上を目指さなければという気持ち。そこに終わりはないのだろうか。それはつらいことじゃないだろうか。 だからレベルの低い話かもしれないけど、私はライブに行ったら、アンコールの声は必ず届けたいなといつも思うんです。エイトに限らず。

アンコールって、お約束に近いところもあるけど、感謝の気持ちを直接声にして届けられる、数少ない機会ですからね。やっぱり「こんなに必要とされてるんだ」ってとこをぜひ実感してもらいたいとこです。

(かと言って、彼らが提供するパフォーマンスをないがしろにして叫びまくるのは大間違いだと思いますけどね。そこは空気読みたい)

小説には、コンサート後の楽屋でのわりとクールな様子も描かれてます。彼らもそうして日常に戻っていくんですよねきっと。ステージは、お互いの夢を共有できる儚いひととき。

でも、たとえ少しの時間でも、それが彼らを癒すのであればうれしいことだな。

ファンもグラスを持っている

ただし、ヒビの入ったグラスを持っているのは、我らファンも同じこと。あれが聞きたいとかこれが見たいとか、こちらの望みも無限大。

もちろん、魅力があるからこその期待です。きっと人気があるほどファンの期待も大きい。

でも、何十万人、あるいは何百万人のファンの要望がすべてかなえられることは、現実にありえない、ということも常に心に刻んでおきたいもんです。

せめて、応援する人の足を引っ張らないようにしたい。

シゲアキ先生の文才

さて、話を「閃光スクランブル」に戻しますが、処女作より表現が軽く、読みやすくなってる気がします。

でもうなるような鋭い表現もあって。

私がむむっ!となったのはここ。亜希子が不倫しちゃう大物俳優について。

不倫を男の個性に変換する傲慢さと、そこに違和感を持たせない並々ならぬ色香が彼にはある。

この表現うまいなぁと思って。

つまり開き直ってる姿が逆に魅力になってるっていうんですが、その「開き直り」と「魅力」をこんなふうに表現できるんだなぁ。日頃の観察力と考察力のたまものですよね。

この大物役者は、濡れ場専門だからか、主人公よりもよっぽど魅力的に描かれてます。こういう人ほんとにいるのかなぁ、なんて思ったらきっとシゲアキ先生の思うツボ(笑)

あ、濡れ場といってもあっさりなんで、ご心配もご期待も無用です。ホホホ

本書をオススメする人

というわけで、この「閃光スクランブル」をオススメするのは次のタイプの方。

  • 小説をフィクションとして割り切れる人

  • アイドルの苦悩を深刻に受け止めすぎない人

  • 大物俳優の不倫の仕方に興味ある人(笑)(フィクションだろうだけど)

…うーん、私自身が上記に当てはまってないかもしれない(笑) いかんいかん。

作者と作品は似て非なるもの。その意識はやっぱり大事ですよね。

それに、もったいないからここには書かないですけど、最後の方にすごく前向きでかっこいい亜希子の言葉があって、大好きなんです。けしてマイナス要素ばかりじゃないんです。

あー!!本の感想って難しい!!(前回も反省大きい)

そうだ、タイトル、「スクランブル」の意味は早い段階でわかるんですけど、「閃光」の部分は最後になってああ、という感じで、上手いタイトルだなと思いました。

まるで映画のように、終わりのシーンにこだわりのある作家さんだと思います。

そして今回のあとがきも誠実で素敵でした。

次はまったく趣向を変えて、オススメしてもらったファンタジーを読む予定です。たぶんここには感想書かないですけど。

あ、その前に今夜は関ジャム!Black of night!

では!

閃光スクランブル (角川文庫)

加藤 シゲアキ KADOKAWA/角川書店 2015-11-25
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by ヨメレバ

P.S. 読書メーターお使いの方いらっしゃいましたらお声がけください〜。ここ1、2年放置してましたが(笑)最近復活させました。→マイページはコチラ(アイコン違っててすみません)